とりあえずの記録

はじめは同学科の人向けのナレッジまとめでした

PA設営のための準備 - for beginners

(注) 本記事は,私が某組織内Wikiに作成した記事のアーカイブです.

はじめに

この項では,実際の配線プラン(音声系統)を考える方法について解説しています.
別途連絡されている内容に従って,演習にも取り組んでみてください.

なお,電源についてはおおかた用意されているものとして,ある程度省きます.

使用する機材とその配置,接続を考える

音を鳴らしたい場所,PAを組める場所から,使用する機材とその配置を考えます.

スピーカーとアンプ

音を鳴らしたい場所(広さ,人数,屋内か屋外か)が分かれば,どれくらいのW数があればよいかがわかり,スピーカーとアンプの型番を決めることができます.

まずは,屋内か屋外か(汚れそうな場所か)を見ます.
屋外のときは,
・転倒して壊れる前提でプラスチック外装を選ぶ.(広福さんのはMDF材という木材なのでNG)
・グラウンドなどの悪条件では,故障する前提で価格の安さも考慮する.

次に,ワット数をもとにスピーカーとアンプを選びます.

が,基本は例年通りで合わせていけば大丈夫です.新しい会場だったり,新しい配置,新しい内容(音楽系)だったりで行うときに過去のデータがないときには,以下を参考に決めてみてください.

スピーチ系:観客1人あたり1W
音楽ライブ系:観客1人あたり3W

【補足】パワードスピーカーを使うときの注意

以下のような注意点を踏まえて使用するかどうか判断する必要があります.

  • アンプを別途設置せずに済み,重いスピコンも不要なので設営時間が短くて済む
  • 炎天下に長時間曝すと,内部のアンプが熱暴走を起こして電源が落ちることがある
    (夏季は特に注意.適宜テントを使用するか,非パワードの機種を選ぶ)
  • 砂・雨が入ると故障の原因になる
    (高電圧のため非常に危険.ビニール袋をかぶせておく)

入力機器とミキサ

使用したい音源を再生する機器をリストアップします.
そして,最低限必要なCh.数を計算します.このとき,マイク以外はL/Rの2chで計算する必要がある点に注意です.

そして,

  • 最低限必要な入力端子の数に多少の余裕(LINEとMICを1つづつ増やせるように,3ch程度)を加えた数
  • 使用したい機能(遠隔で操作する必要があればQu-24Cを使用するなど)

によって,使用するミキサの機種を決定します.

なお,これも屋外の場合には,劣化や故障を考えてあまり価格の高い機種は選ばないほうがよいです.基本的にはYAMAHAの01Vを使用することが多いです.(次点でQu-24C.チャンネルが少ないなら,R16とかMX882でもいいかも.)
可能であれば,PA卓は屋内に設置して,マルチ等を使用したほうがよいです.

また,一般的な規模のイベントでは考慮する必要はありませんが,以下のような場合にはAUXやBUSの数,出力端子の数(ただし同じ出力ならスプリッタを使えばよい)も考慮してミキサの機種を選ぶ必要があります.

  • 配信を行う場合 (配信用の出力が必要)
  • 集音マイクも使用した録画を行う場合 (録画用の出力が必要)
  • カラオケの採点を行うなど,専用の出力が必要な場合 (マイク1本の音声のみの出力が必要)

必要なケーブル・アダプタを考える

一通り機材のリストアップができたら,次にそれらの機材のつなぎ方を考えていきます.

このとき,

  1. どの端子からどの端子への接続が必要なのかをリストアップする
  2. 長さを考慮して,上記接続をどのケーブルで行うかを考える
    (例:本来RCAで接続するところであっても,あまりに長い場合は一度ラインコンバーターでXLRに変換して,受け手でまたラインコンバーターを使用してRCAに変換する,など.)
  3. 上記を繰り返し,構成に必要なケーブルと変換アダプタ,追加する機材をひたすら書き出していく
  4. もし必要な長さのケーブルが足りないときは,規格で定められた最大延長距離や予算や重要度に応じて,中継/途中で別ケーブルに変換/新規購入する.
    (中継すると不具合の元となることと,信号の電圧が大きく落ちることがあるため最低限とする.)

これが終わったら次は電源について考えていくことになりますが,今回は音声編なので省きます.
(コンセントを使う数,場所,機器の消費電力量によってタップやドラム,ディストリの配置,UPSの有無・配置を検討し,会場の電源容量と万が一のときの復旧の容易さを考慮してどこのコンセントからとるか考えていく)

リハの前に準備する内容を考える

機材準備

設定

設定やつまみを操作する必要のある箇所を思い出しておきます.
なお,操作がさっと思い出せそうにない場合や,設定項目の量が多い場合には,事前に設定しておくとよいです.

ラッキング

ラックにマウントできる機材は,量や排熱を考慮しながら予めマウントしておきましょう.(当日朝からでは到底間に合わない.)

このとき,機材の重さを考慮し,必ずラック類は倒した状態で(地面と垂直にドライバーを使用できる角度で)行ってください.

  • アンプなどの重量物は下に(重心を下にして,転倒防止)
  • アンプやワイヤレスチューナー,ミキサーなどの排熱の大きいもの・ノイズの影響を及ぼさせたくないものは上下に空白を
  • ケーブルを抜き差しするときに,背面の端子部へ手を入れられるか確認

終わったら,ラックの上面及び前面に,何が入っているか(型番)どこに持っていけばよいか(設置場所)を書いた養生テープを貼り付けて,入口付近に置いておきましょう.
非常に重くなるので,積み重ねすぎないように要注意.

イベントを終えたら,空であることを書いて貼り付けておくと,次回以降いちいち開けてまわらずに済みます.

使用するケーブルの選出

使用するドラムやケーブル類を,いくつかのコンテナに入れてすぐに搬出できるようにしておきます.

使用する機材の移動

使用する機材を,部室の入口付近に置いてすぐに搬出できるように準備しておきます.

このとき,持っていく場所ごとにかたまりを作っておくとなおよいです.
(あまりに量が多く覚えられない場合には,事前に養生テープで記しておくとよいかもしれません.→ただし終わったら必ずすぐに剥がすように.片付けや次回以降の準備の際,新入生を混乱させてしまいます.)

また,スタジオからの搬出機材が少ない場合には,予め持ち出し申請の段階で前1日確保しておき(夜間は鍵のかかる施設で管理する旨申告するとよい),予め部室に運んでおくと当日の搬入時間が短縮できます.

パソコンの準備

使用するパソコンを並べ,充電しながら,

  • WindowsUpdate
  • 使用するファイルのダウンロード
  • 使用するソフトの動作確認(時間があれば)
  • デスクトップ,ダウンロードフォルダの整理

を行い,一通り終わったら

  • WindowsUpdateを数日延期させる設定

を行って,万が一にもイベント中にWindowsUpdateが走ってしまわないように設定しておきます.詳細は以下の記事を参照してください.

(削除済み)

日程調整,各種申請(機材持ち出し,施設使用)

体育館の場合は学生会の体育局長と,それ以外の施設では学生課学生支援係の窓口で施設の空き状況を確認し,書類を書いて申請します.

詳しくは以下の記事を参考にしてください.

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また,スタジオ機材の持ち出しについても事前に申請が必要です.
詳しくは以下の記事を参考にしてください.

(削除済み)

部員へのスケジュール連絡も忘れずに.

リハ/本番当日

当日は多少早めに登校して,部室の解錠や台車の準備(できそうであればコンテナの積み込み),搬出機材の整理を行って,すぐに搬出にとりかかれるように準備しておきます.

各搬出場所(できれば搬入先)には配線等を理解している人が常駐していたほうがよいです.適宜運び先や運び方をアドバイスしてあげてください.
(特にモニター,カメラ,重量物は要注意.決して無理させないこと.だいたい「いけますよ!!」...「あっ...」と事故が起こる.高級な機材は,それとなく高さを添えて,重要性を認識してもらう.朝は寝ぼけており,夕方は疲れていることを頭に入れておく.)

朝は何が起こるかわからないので,事前の準備が肝心です.