先日某施設にてライブ配信を行っていた際,実際に発生したインシデントです.
構成
スイッチャー → SDI to HDMI → Cerevo LiveShell X
→ LiveShell X付属のWi-Fiドングル → (Wi-Fi)
→ モバイルWi-Fiルーター → (4G回線)
→インターネット → YouTube Live
なお,このとき使用していたモバイルWi-FiルーターはPandaStudio様よりレンタルしていた以下の製品です.
状況
配信を開始して数時間,まれにモバイルWi-Fiルーターがプチフリを起こすように.
画面をタップすると電波の送出を再開してくれるため,なんとかあと1時間持ちこたえてくれと神頼み.
祈りは届かず,突然フリーズ.
再起動するも電波が送出されないという最悪の自体に.
結果,YouTube Liveへの映像送出が停止,
急遽バックアッププランへ切り替え.
長時間の動作に耐えられるかテストするため,前日に3時間以上の事前配信を行っていたのですが....
復旧方法
- iPhoneでモバイルルーターが発射していたSSID/Passwordと同一のWi-Fiを発射.(インターネット共有,テザリング)
SSID:設定 → 一般 → 情報 → 名前 を変更することで設定可能
Pass:設定 → インターネット共有 → "Wi-Fi"のパスワード にて設定 - LiveShell X背面のWi-Fiドングルを一度抜いて再度挿入(強制再接続)
なぜこのような方法をとったのか
YouTube Liveは,基本的には一度送出が完全に停止するとライブ配信の枠自体を終了してしまいます.
(一部の状況においては,自動停止をOFFにすることができる場合もあります)
そのため,LiveShell Xを操作して配信を停止,Wi-Fiの接続先を変更するなどして改めて配信を開始しようとすると新たな配信URLを使用せざるをえなくなってしまい,今回の場合それはなんとしてでも避けなければならない事態でした.
このことから,同一の配信ページを維持したまま配信を再開するためにはLiveShell Xを生かしたまま,何事もなかったかのようにインターネット回線を復旧させ,再接続させなければなりません.
結果として,上記の対応をとり,復旧させることができました.
今後の対策
今回は会場のネットワーク規則の関係で固定回線を用意することができず,加えて予算の兼ね合いにより複数の4G回線を使用することも難しい状況でした.
結果として,1台の機材の不具合により配信が停止,視聴されていたお客様には別の配信プラットフォームへと移っていただくことになってしまいました.
今後配信を行う際には,今回の事例を踏まえて早期に固定回線の手配や予算の増額を依頼し,安定した配信が行えるよう運営チームと協力,連携して運用に携わって参ります.